WECにおけるBMW G450Xの近況
スロバキアでのポディウムフィニッシュに続き、R11/12のメキシコGPでは、ユハ・サルミネンがG450Xを両日とも2位に押し上げた。デビッド・ナイトがシーズン半ばにしてBMWチームを離脱するなど、順風万帆とは言えないBMWのWECプロジェクトだが、ここにきて着々と成果をあげてきている。 G450Xは、フューエルインジェクション、前傾シリンダー、カウンターシャフトを持たない逆転クランク、ドライブシャフトと同軸のスイングアームピボットを持つコアキシャル構造など、ラジカルかつ、理論上、合理的なデザインを随所に盛り込んだマシン。その戦闘力の高さは、シモ・キルシによるドイツクロスカントリーでの活躍、またサルミネンをはじめとするチームライダーによる、各国ナショナル選手権での活躍を見るまでもなく明らかなものだが、頂点のコンペティションであるWECでは、今一歩、ライバルのポテンシャルに追いついていない。エンストージアストのなかには、その理論的に正しいとされる「合理的な設計」に、なにかコンペティションマシンにはふさわしくない根本的な欠陥があるのではないかと推測するものも少なくない。それが正しいかどうかはわからないが、BMW G450Xにもし難しい面があるとするならば、そのユニークな設計のどこかになんらかの答えがあるはずだ、とするのは自然なことだ。 BMWチームは、シーズン前から、エースライターであるサルミネン、デビッド・ナイトらとともに、各部のブラシュアップを進めてきているが、このWECのシーズン中もさまざまなトライが繰り返されているようだ。スロバキアGP以降は、サルミネンもニューフレーム(補強メンバー追加)、新しいサスペンションを仕様。マディで難しいコンディションになったメキシコで充分な手ごたえをつかんでいる。サルミネンは、ジョニー・オーベルに続いて現在ランキング2位。 G450X苦戦と言われながらも、ここまで成績を伸ばしてきたサルミネンのプロとしての仕事ぶりにも注目が集まる。
