トライアルタイヤの話題
最近、エンデューロ、トレールバイクのユーザーにトライアルタイヤを使う人が増えてきているようです。トライアルタイヤをチョイスするのには、いくつかの理由があると思いますが、まず最初に挙げるべきなのは、路面を傷めないタイヤ、環境にやさしいタイヤとしてこれを選ぶ人、次に、グリップ力の良いタイヤとして選ぶ人、その両方に魅力を感じてトライアルタイヤを選ぶ人も少なくないと思いますが、ぼくはこのタイプです。有体に言って、特定の条件、例えば深いサンドや、表面堅い泥の路面などを除いては、トライアルタイヤは、エンデューロマシンに装着してもかなりグリップ力が強いです。濡れた岩のようなところでは、エンデューロタイヤの比ではありません。だから、丸太セクションが多いインドア系のレース、またSUGOの白タイヤ沢、池の平のようなところでは、かなり有利です。どんなタイヤを選ぼうとライダーの自由ですが、それが競技という枠組みで考えると、また別の次元の話になってきます。是か非かという話も次第に出てくるでしょう。
ある程度車重のあるマシンのために作られたIRCのツーリストというトライアルタイヤがあります。今年が最後の大会になった、山形のサンシャイントレッキングに集まるライダーたちは、自分たちを受け入れてくれるフィールドを守るため、イベントによる不必要な路面の損傷を防ぐためのツールとして、これを自ら率先して使ってきました。競技を楽しむために充分な性能もあることから、そのイベントでのトライアルタイヤの普及率は100%近いものでした。当然、普段のツーリングや小規模なイベントにも波及していきます。最近トライアルタイヤが注目されているのは、そうした取り組みが下地としてあると思います。単にグリップがいいタイヤだと考えて使う、ゲロアタックなどといって、このタイヤを履いて、さらに奥深くにまでわだちを刻んでいこうとするのであれば、それとはまったく正反対の性格のものになります。もちろん「タイヤはタイヤ」なので、誰がなんのつもりで履いてもかまいません。
エンデューロ、トレールバイクに使うトライアルタイヤというのは、環境対策だとするならぱ、ローカルな事情と、使う人間の意識に根ざしたもので、どこでも通用するというものではないし、それを使ったから誰でもローインパクトな乗り手になるというものでもない。例えば、SUGOならSUGOに集まるローカルのグループ、日高なら日高のクラブのライダーたち、といったように、恒常的に同じエリアを利用するライダーたちが、申し合わせて路面のインパクトの少ないタイヤを使用することは、限定的ながら効果のある環境保全になり得るでしょう。基本的にはFIMスタンダードのエンデューロタイヤ(ブロックハイト13mm)と狙いは同じです(FIMスタンダードの規格も不変のものではありません)。資料不足でいつからいつまで、と書けないのが申し訳ないのですが、1980年代の一時期、イギリスのエンデューロは後輪をトライアルタイヤに限定する規則で運営されていたことがあったと記憶しています。いつのまにか無くなったのは、ウェールズの泥とあまりにも相性が悪かったからかもしれませんが。
